「何度も話し合おうとしたが、相手が感情的になり会話にならない」 「DVやモラハラがあり、怖くて顔を合わせずに離婚を進めたい」 「お互いに離婚したい気持ちは同じだが、条件面で折り合いがつかない」 「裁判のような大ごとは避けたいが、第三者を入れて冷静に解決したい」
離婚という人生の大きな岐路において、このような深く重いお悩みを抱えていませんか?本来であれば、夫婦間の話し合い(協議)だけで円満に解決できればそれがベストです。しかし、離婚は感情のもつれが直結する問題であり、当事者だけで冷静に解決しようとしても、かえって泥沼化してしまうケースが非常に多いのが現実です。
そんな時に、現状を打破する有力な選択肢となるのが「離婚調停」です。
この記事では、数多くの離婚問題を解決へと導いてきた弁護士が、離婚調停の基礎的な仕組みから、当日の具体的な流れ、費用、そして「調停を有利に進めるために絶対に知っておくべき同時申立ての手続き」までを網羅的に解説します。この記事を読み終える頃には、漠然とした不安が解消され、新しい人生の一歩を踏み出すための具体的な道筋が見えてくるはずです。

東京弁護士会所属。目黒法律事務所担当。大学卒業後、製薬企業・特許事務所での勤務を経て、筑波大学法科大学院を修了し弁護士資格を取得。企業勤務で培った実務的な感覚を活かし、離婚・男女問題・相続・借金問題などの法律相談を担当しています。
1. そもそも「離婚調停」とは?
一言でいうと、離婚調停は「裁判所という公的な場所で、中立なプロを交えて行う話し合い」のことです。正式名称を「夫婦関係調整調停(離婚)」といいます。
日本の法律において、離婚に至る道筋は大きく分けて3つの段階があります。
- 協議離婚:夫婦二人だけの話し合いで合意し、役所に離婚届を提出する方法。日本で最も多いケースですが、話がこじれると解決しません。
- 調停離婚:家庭裁判所で「調停委員」という第三者を介して話し合い、合意を目指す方法。
- 裁判離婚:調停でも決着がつかない場合に、裁判官が法に基づいて判決を下す方法(強制力あり)。
ここで重要なのが、日本の法律には「調停前置主義(ちょうていぜんちしゅぎ)」というルールがあることです。これは、「いきなり裁判を起こすことは原則できません。話し合いがまとまらないなら、まずは調停で話し合ってください」という決まりです。そのため、協議が不調に終わった場合は、必ずこの「調停」のステップを踏むことになります。
裁判とは何が違うの?
裁判は、証拠と法律に基づいて裁判官が「勝ち負け(白黒)」をはっきり決める場です。一方、調停はあくまで当事者同士の「合意」を目指す話し合いの場です。
調停では、社会経験豊富な男女ペアの「調停委員」が間に入り、双方の言い分を交互に聞きながら、法律的な観点や常識に照らして調整を行ってくれます。 なお、実際の話し合いの場に出てくることはあまりありませんが、裁判官も「調停委員会」の一員として構成されており、男女ペアの調停委員を監督・指導する立場で関わっています。 調停委員は、「絶対にこうしなければならない」という命令を下す場ではないため、あなたがどうしても納得できない条件を無理やり押し付けられる心配はありません。
2. 離婚調停のメリット・デメリット
調停は便利な制度ですが、万能ではありません。ご自身の状況に合わせて、調停を利用すべきか冷静に判断しましょう。
【メリット】
- 相手と直接顔を合わせずに済む
- これが最大のメリットです。待合室は申立人と相手方で別々に用意され、調停室への呼び出し時間や帰る時間も意図的にズラされます。そのため、顔を合わせる精神的ストレスがありません。特にDV事案などの場合は、裁判所内の移動も鉢合わせしないよう厳重に配慮されます。
- 費用が比較的安い
- 弁護士を付けずにご自身で手続きを行う場合、裁判所に納める収入印紙代や切手代など、数千円程度の実費で済みます。これは裁判を起こす費用に比べると安価です。
- プライバシーが守られる
- 裁判は原則として公開の法廷で行われますが、調停は密室で行われる非公開の手続きです。夫婦のプライベートな事情や資産状況などが、外部の第三者に知られることはありません。
【デメリット】
- 相手が出席しないと始まらない
- 調停はあくまで「話し合い」です。裁判所から呼び出し状は届きますが、強制連行する権限はありません。相手が正当な理由なく欠席し続けた場合、話し合いようがないため「不成立」として終了してしまいます。
- 解決まで時間がかかる
- 調停は月に1回程度のペースで進むため、解決まで半年〜1年程度かかるのが一般的です。その間、不安定な身分のまま過ごさなければならないストレスがあります。
- 合意できないと終わる(徒労に終わる可能性)
- どれだけ時間をかけても、お互いが譲歩できなければ「不成立」となります。そうなると、調停にかけた時間と労力が無駄になったように感じてしまうかもしれません(ただし、調停を経たことで裁判へ進む権利が得られます)。
3. 申立てから解決まで!手続きの5ステップ
実際に調停を申し立ててから終了するまでの流れを、より具体的に見ていきましょう。
STEP1:申立ての準備
必要書類を揃えて、家庭裁判所に申し立てを行います。
- どこの裁判所に出すの?(管轄) 原則として「相手方の住所地」を管轄する家庭裁判所です。 (※夫婦間で「この裁判所でやろう」という合意があれば、別の家庭裁判所で行うことも可能です)
- 相手が遠方に住んでいる場合(電話・Web調停) 「相手が遠くに住んでいるから、毎回裁判所に行くのは無理…」と諦める必要はありません。 遠隔地の場合、「電話会議」や「Web会議」のシステムを利用して、裁判所に行かずに調停に参加できる仕組みがあります。弁護士に依頼していれば、弁護士事務所からWeb会議で参加することも可能です。 ※利用には条件があるため、申立ての際に裁判所へ相談してみましょう。
- 主な書類:
- 調停申立書(裁判所公式サイトで入手・ダウンロード可)
- 事情説明書(じじょうせつめいしょ)
- 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
- その他、子についての事情説明書、進行に関する照会回答書など
- 申立書の書き方:
- 離婚を求める動機や、親権・財産分与などの希望条件を記載します。
- 裁判所のフォーマットでは、「性格の不一致」「暴力を振るう」などの項目にチェックを入れる形式が多く、具体的な事実関係までは記載しません。
- 事情説明書の書き方(重要!):
- 役割:申立書では伝えきれない、離婚に至る具体的な経緯や背景事情を記載する書類です。「いつ頃から関係が悪化したか」「どのような出来事があったか」などを具体的に記述します。調停委員は事前にこれを読んで、あなたの言い分を把握します。
- 【超重要】相手に見られる前提で書くこと 事情説明書は、申立書のように自動的に相手方へ郵送される書類ではありません。しかし、相手方が裁判所に「閲覧謄写(えつらんとうしゃ)」の申請をすれば、原則として中身を見ることができてしまいます。そのため、相手も見る可能性があることを十分に考慮し、「相手に読まれても困らない内容・表現」で書くことが鉄則です。相手を過度に刺激する感情的な表現は避け、事実を淡々と記載しましょう。絶対に知られたくない秘密事項などは、不用意に記載しないよう注意が必要です。 (※DV等で住所を知られたくない場合は、別途「秘匿の申出」の手続きが必要です)
- 費用:収入印紙1,200円分+連絡用の郵便切手代(千円程度)
STEP2:第1回期日の決定
申立てが受理されると、裁判所が最初の日程(期日)を調整し、双方に「呼出状」を郵送します。裁判所の混雑状況にもよりますが、申立てから約1〜2ヶ月先になることが一般的です。
STEP3:調停期日(話し合い)
月に1回程度のペースで、平日の日中に裁判所へ通います。 ※当日の様子は次章で詳しく解説します。
STEP4:次回への宿題
1回の期日で全てが決まることは稀です。「次回までに源泉徴収票を持ってきてください」「親権についてもう少し考えてきてください」といった課題(宿題)が出され、次回期日を予約して解散します。
STEP5:成立 または 不成立
- 成立:全ての条件で合意に至れば、「調停調書」という公文書が作成されます。これには判決と同じ強い効力があり、約束が破られた場合(養育費の未払いなど)に、直ちに給料の差し押さえなどの強制執行が可能になります。調停成立から10日以内に、調停調書を持って役所へ行けば離婚完了です。役所では、離婚届を提出しますが、協議離婚と異なり、片方の方の記入のみで足ります(相手の記入は不要)。
- 不成立:調停委員が「これ以上話し合っても合意は無理」と判断した場合、調停は終了します。それでも離婚したい場合は、家庭裁判所に「離婚訴訟(裁判)」を提起する次のステップへ進みます。
申立費用と必要書類の詳細
STEP1の手続きに備えて、申立に必要な費用と書類を詳しくご案内します。以下の情報は、裁判所公式サイト(夫婦関係調整調停・離婚)をもとに記載しています。
申立費用の内訳
| 費用の種類 | 金額・備考 |
|---|---|
| 収入印紙 | 1,200円分 |
| 郵便切手 | 家庭裁判所ごとに異なります。申立先の家庭裁判所に直接ご確認ください。 |
| 戸籍謄本の取得費用 | 各市区町村役場で取得。費用は市区町村によって異なります。 |
婚姻費用分担請求調停・面会交流調停など、他の手続きを同時に申し立てる場合は、それぞれ別途収入印紙1,200円が追加で必要になります。
標準的な必要書類リスト
以下は、裁判所公式サイトに記載されている標準的な申立添付書類です。
- 申立書及びその写し 1通(裁判所公式サイトから書式・記載例をダウンロードできます)
- 夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)
- 事情説明書(夫婦関係調整)
- 子についての事情説明書(未成年の子どもがいる場合)
- 進行に関する照会回答書
- 送達場所等届出書
- 年金分割のための情報通知書(年金分割の割合を定める申立てを含む場合のみ。発行日から1年以内のものが必要です)
※ 審理の状況によって、追加書類の提出を求められる場合があります。詳細は申立先の家庭裁判所にお問い合わせください。
4. 【不安解消】調停当日は何をするの?
「裁判所なんて行ったことがないから怖い」「威圧的な雰囲気なのでは?」と不安な方も多いでしょう。当日は以下のような流れで進みます。
① 別々の待合室で待機
指定された時刻に裁判所へ行きます。申立人と相手方の待合室は別々の部屋(または別フロア)に指定されています。自分の番号が呼ばれるまで、静かに待ちます。待ち時間が長くなることもあるため、本やスマホなど時間を潰せるものを持っていくと良いでしょう。
② 交互に調停室へ(ここがポイント!)
順番が来ると、調停室へ呼ばれます。部屋の中には、調停委員2名(通常は男性1名、女性1名)が座っています。
- まずあなたが部屋に入り、30分ほど事情や希望を話します。
- あなたは待合室に戻り、次は相手が入室して30分ほど話します(この間、あなたは待合室で待機)。
- これを1回の期日で2〜3回繰り返します。
このように、「相手の顔を見ずに、調停委員を通じて伝言ゲームのように話し合う」のが調停のスタイルです。調停委員は、あなたの言い分を整理して相手に伝え、相手の回答をあなたに伝えてくれます。
③ 1回の時間は約2時間
調停は午前(10時頃〜)か午後(13時半頃〜)のどちらかで行われ、トータル2時間程度で終了します。服装に決まりはありませんが、派手すぎる服装は避け、清潔感のある普段着やオフィスカジュアルが無難です。
④ 初回期日(第1回調停)と調停室のルール
第1回期日は、その後の調停の方向性を決める重要な場です。第1回と第2回以降では、進み方が少し異なります。第1回期日で説明を受けること・話すことの主な内容は以下のとおりです。
【第1回期日で説明を受けること・話すこと】
- 調停委員から手続きの説明:調停の進め方、守秘義務(調停で話した内容を外部に漏らさない義務)、今後の期日のスケジュールなどについて説明を受けます。
- 申立てに至った事情・離婚を求める理由:どのような経緯で離婚を考えるに至ったか、事情説明書に沿いながら話します。感情的にならず、事実を淡々と伝えることが大切です。
- 離婚条件についての希望:親権・養育費・財産分与・慰謝料・年金分割など、各項目についての希望を話します。すべての条件を第1回で決める必要はなく、「まだ検討中」でも構いません。
- 次回期日の日程調整:第1回期日の終盤に、次回の調停期日の日程を調停委員と確認します。
【調停室内での注意事項】
- 電子機器の使用は禁止:調停室内では、スマートフォン・タブレット・ICレコーダーなどの電子機器を使用することはできません。入室前に電源を切るかサイレントモードにしておきましょう。
- 録音・録画・撮影は禁止:調停での話し合いの内容を無断で録音・録画・撮影することはできません。なお、弁護士は、パソコンなどでメモをとることもできますが、一般の方と同様に録音等はできません。
- メモを取ることは可能:手帳やノートへの手書きメモは問題ありません。調停委員から告げられた内容や、自分が伝えたいことを整理するためにも、メモ帳を持参することをお勧めします。
録音ができないため、「調停委員から何を言われたか」「相手がどんな条件を提示してきたか」などを正確に把握するためにも、メモを取る習慣をつけておきましょう。

調停の期間・回数の目安
離婚調停は1回で終わることはほとんどなく、複数回の期日を重ねながら進んでいきます。全体の見通しを把握しておくことで、生活の計画を立てやすくなります。
| 項目 | 目安 |
|---|---|
| 1回の期日(調停)の時間 | 約2〜3時間(午前または午後の半日程度) |
| 次回期日までの間隔 | 概ね1〜2か月ごとに設定されます(裁判所の状況によって異なります) |
| 調停全体の期間 | 数か月〜1年以上かかることも珍しくありません |
調停の回数や期間は、双方の主張の隔たりの大きさや話し合いの進み具合によって大きく異なります。次の章でご案内するように、調停期間中の生活費の確保(婚姻費用)や子どもとの面会についても、できるだけ早めに手続きを取ることをお勧めします。
5. 【重要】離婚調停と一緒に申し立てるべき「2つの手続き」
ここが非常に重要なポイントです。 離婚調停は長期間(半年〜1年以上)かかることも珍しくありません。その間の「日々の生活」と「親子関係」を守るため、離婚調停とセットで申し立てるべき手続きがあります。
これらは別途申し立てる必要がありますが、通常は同じ調停委員がセットで担当してくれるため、効率的に進めることができます。
① 婚姻費用分担請求調停(別居中の生活費)
「離婚が決まるまでの生活費(婚姻費用)をください」という請求です。 たとえ別居していても、離婚届が受理されるまでは法律上の夫婦です。収入の多い側は、少ない側の生活を自分と同程度に維持する義務(生活保持義務)があります。一般的に、婚姻費用は離婚後の養育費よりも高額になります。
- なぜ同時に申し立てるの? 離婚調停が長引くと、生活費が枯渇し、「お金がないから不利な条件でもいいから早く離婚して楽になりたい」と精神的に追い詰められてしまうリスクがあります。経済的な不安を解消し、腰を据えてじっくり交渉するために不可欠な「命綱」となる手続きです。 また、婚姻費用の支払いは相手にとって経済的な負担となるため、「早く離婚に応じたほうが得だ」と思わせる交渉カードにもなり得ます。
② 面会交流調停(子どもとの面会)
「離婚の話し合い中も、子どもに会わせてください」という請求です。 夫婦関係が悪化していると、「離婚条件が決まるまでは子どもに会わせない」「連れ去りが怖い」と拒絶されるケースがあります。
- なぜ同時に申し立てるの? 会えない期間が長引くと、子どもとの心の距離が離れてしまったり、親子の絆が弱まってしまったりする恐れがあります。また、「長期間会っていない」という既成事実は、後の親権争いで不利に働くこともあります。 離婚の成立を待たず、「月に1回、第三者機関を利用して会う」「ビデオ通話をする」といった暫定的なルールを早期に決めることが、子どもの福祉にとっても重要です。
6. その他、調停で決める条件リスト
生活費や面会以外に、離婚そのものとセットで決める主な条件は以下の通りです。これらを一つずつクリアにしていきます。
お金に関すること
- 財産分与 結婚後に夫婦で協力して築いた財産を、原則半分ずつ分けます。現金や預貯金だけでなく、不動産、自動車、解約返戻金のある保険、退職金の見込み額なども対象になります。逆に、住宅ローンなどの「借金」も考慮されます。
- 慰謝料 不倫(不貞行為)やDV、モラハラなど、相手に明確な有責行為がある場合に請求します。「性格の不一致」だけでは、慰謝料請求は難しいのが一般的です。
- 年金分割 結婚期間中の厚生年金の納付記録(報酬比例部分)を分割します。将来受け取る年金額に関わる大切な手続きです。
子どもに関すること(離婚後)
- 親権 未成年の子どもがいる場合、必ずどちらか一方を親権者として決めなければ離婚できません。子どもの年齢、これまでの養育実績、環境、子どもの意思などを総合的に判断します。
- 養育費 離婚成立後、子どもが自立するまで毎月支払われる費用です。裁判所が公表している「算定表」を基準に、双方の年収と子どもの数・年齢で機械的に算出されることがほとんどです。
7. 弁護士に依頼する?自分でやる?
調停は弁護士をつけずにご自身で進めることも可能ですが、リスクもあります。ご自身のキャパシティと相談して決めましょう。
自分で進める場合のリスク
- 不利な条件でサインしてしまう 法的な相場を知らないまま、「相手がそう言うなら仕方ない」「調停委員に勧められたから」と、本来もらえるはずの財産分与や慰謝料を放棄してしまう恐れがあります。一度合意した調停調書の内容を覆すことは極めて困難です。
- 精神的ストレスと言葉の壁 調停委員に自分の思いをうまく説明できず、誤解されたまま話が進んでしまうことがあります。また、相手の主張に対する反論書面などを自分で作成する負担も大きいです。
弁護士に依頼するメリット
- 有利な条件を引き出せる 過去の判例や法的根拠に基づき、あなたにとって最大の利益(親権の獲得、適切な解決金など)を目指して交渉します。
- 調停委員を味方につけやすい 調停委員は法律の専門家ではないことも多いため、弁護士が法的に整理された主張を行うことで、調停委員を納得させ、こちらのペースで進行しやすくなります。
- 精神的に楽になる 面倒な手続きや書面作成、相手との交渉をすべて任せられます。「自分には味方がついている」という安心感は、長期間の闘いにおいて大きな支えになります。
- 代理出席が可能 仕事や体調不良でどうしても裁判所に行けない場合、弁護士のみが出席して話を進めることが可能な場合もあります(※本人出席が原則の場面もあります)。
費用の目安
- 実費(自分でやる場合):数千円程度
- 弁護士費用(※事務所により異なります):
- 相談料:初回無料〜1時間1万円程度
- 着手金(依頼時に支払う):20万〜40万円程度
- 報酬金(解決時に支払う):基本報酬に加え、得られた経済的利益の10〜20%程度
8. 調停を有利に進める4つのポイント
最後に、弁護士に頼む場合でも自分でやる場合でも、成功率を高めるための共通のコツをお伝えします。
- 「譲れる線」と「譲れない線」を決める 調停は「話し合い」なので、100%こちらの要望通りにいくことは稀です。「親権はどうしても譲れないが、その分、財産分与は少し譲歩してもいい」「早期解決できるなら慰謝料は減額してもいい」など、優先順位をつけておきましょう。頑なになりすぎると不成立になり、解決が遠のいてしまいます。しかし、ただ闇雲に譲歩すれば良いわけではありません。「法律で認められるであろう条件(法的な相場)」を把握しておくことが極めて重要です。私たち弁護士のもとには、調停終了後に「調停委員に『これくらいが普通だ』と説得されて合意したが、本当に正しかったのか」という相談が寄せられることがあります。調停委員は当事者間の意見を調整しますが、説得しやすいほうを説得する傾向にあります。残念ながら、一度合意してしまうと後から覆すことはできません。実はもっと有利な条件で解決できる事案だったのに、知識がないために不利な条件を飲まされてしまうケースがあるのです。そのような後悔を避けるためにも、「裁判ならどのような結論になるのが通常か」という法的な基準を持った上で、それが「妥当な譲歩」なのか「不当な要求」なのかを見極めることが大切です。
- 証拠は「武器」になる 口先だけで主張しても、調停委員は信じてくれません。客観的な資料があるほど説得力が増します。
- 不貞の証拠(写真、LINEのスクショ)
- 財産隠しを防ぐための通帳や給与明細のコピー
- DVの診断書や怪我の写真
- モラハラの詳細を記録した日記や録音データ
- 感情的にならず、冷静に 調停委員も人間です。元パートナーへの悪口を感情的にわめき散らす人よりも、冷静に理路整然と事実を話す人の言葉を信頼したくなります。「かわいそうな人」と思わせるより、「しっかりした常識的な人」という印象を与えることが、結果的に有利な心証につながります。言いたいことは事前にメモにまとめ、落ち着いて話しましょう。
- 大切なことは「書面」にして記録に残す 調停は基本的に口頭での話し合いで進行します。しかし、男女ペアの調停委員と話した内容が、そのまま正確に奥にいる裁判官に伝わっているとは限りません。もし、調停委員とのやり取りで「話がうまく伝わっていない」「今の進行はおかしい」と感じることがあれば、口頭だけで済ませず、「上申書(じょうしんしょ)」などの書面にして提出し、裁判所の記録として残しておくことが大切です。また、裁判所は中立な立場ですが、「法律的にはこのような取り扱いになる」という見解(意見)を述べてくれることがあります。その際、口頭の説明だけでは、あなたの抱える複雑な背景事情や想いが十分に考慮されない恐れがあります。大切な事実関係については、「主張書面(しゅちょうしょめん)」という書面にまとめ、裁判官に直接読んでもらえる形で提出しましょう。
令和8年(2026年)4月1日施行:共同親権制度について
現在、日本の親権制度に大きな変化が生じています。裁判所公式サイトにも案内されているとおり、令和8年(2026年)4月1日に改正法が施行され、離婚後の「共同親権」制度が導入されます。
改正前と改正後の違い
| 改正前(令和8年3月31日まで) | 改正後(令和8年4月1日以降) | |
|---|---|---|
| 離婚後の親権 | 父母のいずれか一方のみ(単独親権) | 父母の双方(共同親権)または一方(単独親権)を定める |
| 調停での親権の話し合い | 親権者をどちらにするかを合意する | 共同親権とするか単独親権とするかも合意事項に加わる |
裁判所公式サイトによれば、改正後の規定に基づく申立ては令和8年3月31日以前はできません。共同親権に関する手続きは、令和8年4月1日以降に行ってください。
この制度改正は、未成年の子どもがいる離婚調停に直接影響します。共同親権・単独親権のどちらが自分や子どもにとって最善かについては、弁護士に早めにご相談されることをお勧めします。
よくある質問(FAQ)
以下のQ&Aは、裁判所公式サイトのQ&A(家事事件)をもとにまとめています。
Q1. 離婚したいのですが、相手と話し合いがまとまりません。調停を申し立てることはできますか?
A. はい、できます。夫婦関係調整の調停(離婚)を利用することができます。協議離婚が難しい場合は、家庭裁判所への申立てをご検討ください。
Q2. 離婚には双方が合意しているのですが、親権のことで意見が合いません。どうすればよいですか?
A. 夫婦関係調整の調停を申し立て、その調停の中で、離婚後にどちらが子どもを養育するか(父母のどちらが親権者・監護者になるか)を話し合うことができます。
Q3. 財産分与・年金分割・慰謝料なども、同じ調停の中で話し合えますか?
A. はい、できます。夫婦関係調整(離婚)の調停の中で、財産分与・年金分割・慰謝料についても話し合うことができます。別途、財産分与の調停などを申し立てる必要はございません。財産分与の調停は、離婚成立後に財産分与が決まっていない場合に申し立てます。
Q4. 離婚するかどうか、まだ決めていない状態でも調停を申し立てることはできますか?
A. できます。申立て時に離婚の意思が固まっている必要はありません。離婚するかやり直すかなどは、調停での話し合いの中で決めていくことができます。なお、話し合いの結果、調停を続ける必要がなくなったときは、申立てを取り下げることもできます。
Q5. 相手が調停に出席しない場合や、離婚に応じない場合はどうなりますか?
A. 調停は双方が裁判所に出席して話し合いにより解決を図る制度であるため、相手方の協力が必要です。相手が出席しない場合や双方の合意ができない場合には、調停は不成立として終了します。その後も離婚を求める場合は、家庭裁判所に離婚訴訟(裁判)を提起することになります。
Q6. 調停が成立した後、どのような手続きが必要ですか?
A. 申立人には戸籍法による届出義務があります。調停が成立してから10日以内に、市区町村役場に離婚の届出をしなければなりません(調停調書謄本等が必要です)。また、年金分割の割合を定めた場合には、年金事務所等において別途、年金分割の請求手続きを行う必要があります。
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離婚調停は、決して争いを拡大させるものではなく、新しい人生をスタートさせるための前向きな手続きです。 しかし、法的な知識がないまま安易に進めると、取り返しのつかない条件で合意してしまい、離婚後の生活で後悔することになりかねません。特に「婚姻費用」や「面会交流」の手続き漏れは、生活の安定や子どもの成長に大きな影響を与えます。
「自分の場合は、具体的にどう進めるのがベストなのか?」 「慰謝料や養育費はいくらくらい取れる見込みがあるのか?」
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